Learn from Experience & Letter
経験者から学ぶ&交換留学派遣生からの便り

野田 瑞奈

マレーシア

半期を終えて

野田 瑞奈さん

人文学部 人文学科
留学期間:2020年7月(留学5ヶ月目)
留学先:マラヤ大学

【学校生活】

 私は2月にマレーシアに到着しすぐに大学内の寮に入寮し、オリエンテーションや健康診断があり到着1週間後から授業が始まりました。マラヤ大学では事前に希望する授業を10個まで提出でき、抽選によって受けられるか決まります。もし抽選で落ちてしまっても授業開始1週間のお試し期間で再度申し込んだり、登録を取り消したりできます。学校のシステムで驚いたことは、日本の様にチャイムが無いことです。日本の大学では1限は〇時~〇時と統一されていますが、マレーシアでは統一されていないためチャイムは鳴りません。そして、1授業3時間あり、週3回1時間ごとに分けて行われるのもあれば、週1回で3時間続けて行われるのもあります。私の取っていた授業は全て後者で、日本で1.5時間が長いと思っていた私にとって最初は本当に辛かったです…。授業は6人ほどの少人数のものもあれば、40人ほどのものもあります。授業中に教授が生徒に質問を投げかけ、生徒が自由に答えるという日本ではあまり見られない光景がよく見られ、逆に発言せずに黙っている方が恥ずかしいと思うこともあります。授業の間は各学部の建物ごとに食堂があり、そこで昼食をとったり(1食なんと約150円!)、図書館で自習をしたりして過ごします。

 しかし、そんな対面式の授業も3,4週間後に発表されたMCO(Movement Control Order、ロックダウン)によって全てオンラインに変えられてしまいました。対面式と変わらないクオリティの授業をしてくださる教授もいれば、中には全くしない教授もいました。(私のとっていたあるクラスではオンラインになってから1回しか授業をしてもらえず、ただトピックに沿ったプレゼンを録音して提出するという課題が2回出されただけでした…。)テストはオンライン上(e-alpsのようなシステム上)で行われるものもあれば、レポート提出のもの、プレゼンのものなど様々でした。中でもレポート課題は12枚以上というものがあり、量にも驚きましたが、意外にも一番苦労したことは参考文献の欄でした。APAという参考文献のスタイルに沿って書かなければならず、これがとても複雑で、教授にメールを何度も送って確認したり、友人に助けてもらいながら、なんとか書き上げました。まだ結果は出ていないのでどうなったかは分かりませんが、単位が取れていることを祈るばかりです。

 マラヤ大学では前期が9月~1月中旬、後期が2月~6月末なので、現在は長期休暇です。(一年中夏なので‘夏休み’と言うと‘何それ?’という顔をされるのも驚きです。)

【日常生活】

 MCOが始まるまでは友人と近くのショッピングモールでお買い物をしたり、現地の友達においしいマレー料理のレストランに連れて行ってもらったり、私の住むクアラルンプールからバスで2時間程度のマラッカという世界遺産にも選ばれた街に日帰り旅行に行ったりしました。マレーシアのショッピングモールはとても広く、おそらく松本のイオンの3,4倍はあると思います。またマラッカへ行くバスがとても安く、片道250円程度です。しかし30分ほど遅延していました。物価は日本の3分の2と言われていますが、外食するのは本当に安くローカルのお店に行けば200円ほどでお腹いっぱい食べられ、食べ放題のしゃぶしゃぶのお店でも1000円ほどです。電車はあまり使わないのですが6駅で180円くらいです。安い…!

 MCOが始まるとほとんどの学生が自国へ帰国していき、賑やかだった私の寮も10人程度の学生しか残っておらず、なんと日本人は私だけになりました。そのおかげで英語を使う機会がより多くなり言語の面で言えばスキルアップできたかなと思います。私が残ることを決めた理由としては、たとえ学校がオンラインであったとしても、博物館や図書館が開けば私の研究が続けられると判断したからです。幸いにも現在はMCOの制限は解除されつつあり、図書館はまだですが博物館は再開したので残って正解だったと感じています。MCOの期間、全てのレストランは閉じていて州をまたぐ移動も禁じられており、道路には警察(軍隊も出動している地域も)がいたり、大学には許可証が無いと入れなかったりと、すごく重々しい雰囲気でした。なので私も外出は日用品や食料品を買うために週に1度スーパーに行く程度に控えていました。本当に退屈でしたが、韓国人のルームメイトと一緒にご飯をつくったり、自分の国や将来について話したりし、MCOで時間がたくさんあったからこそお互い深い関係を築くことができました。半期で帰ってしまう留学生が多く、寮に誰もいない状況になったので、今月から中華系マレーシア人の家で新たな韓国人ルームメイトと暮らすことになりました。現地の人の生活により近づくことができるのでとても楽しみです。